ひとり暮らし

雑記。日々思うこと。

終わりなき対話

 

 

 謙虚すぎる態度は、時に傲慢にもなりうる。

 

かつてはかぶりつくようにして読んだブランショも、一時の出版ラッシュのあとは次第に尻すぼみになり、今では他の書籍の山にまぎれてその姿を見出しにくい。ただなぜだかそのポジショニングのうまさとでもいうのか、決しておれがおれがと前に出てくるわけでもないのに、いつまでも視界の端にしぶとく居残り続け、特別な立ち位置、とは言っても、決して必須な役割を与えられているわけでもないのに、どことなく偉そうな、いや、マイペースな彼を切り捨てられない半端さが愛おしくもあり、苛立たしい。

 

数ページ読むともうおなかいっぱいで、なるほど、わかった。俺には少し難しすぎたと白旗を振りながら、銃を向けるこの感じ。好きなのか嫌いなのか。ただ気になり続ける彼の存在を無視し続けられないこのことに、なにか意味などあるのか。いや、ない。これが彼の作戦なのだ。そしてこの彼の作戦を通してなにか学ぶべきことがあるとするならば……。